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ドウェイン(ザ・ロック)の出生

現在ハリウッドでもっとも稼ぐ俳優の一人として君臨するドウェイン・ジョンソン。

かつて彼がロック様といわれるプロレスラーであったことも知っている人も少なくなってきているのではないだろうか。

v ご存じの方はすでに知っていると思うがドウェインはかつてプロレスラーであった。
しかも、ただのプロレスラーなどではない。

サラブレッドなのだ。

父は黒人プロレスラーのロッキー・ジョンソン、母型の祖父はサモア系のプロレス一族であるアノアイ・ファミリーの家族であるピーター・メイビアだった。

当然ファミリービジネスであるプロレスを子供のころからみていた彼はアンドレ・ザ・ジャイアントに幼いころからかわいがってもらった。


意外にもそんな彼のお気に入りは父でも祖父でもなかった。
白人の荒くれものヒールだったロディ・パイパーだった。

ロディ・パイパーもまたプロレスからハリウッドに進出した成功例だった。

しかし、ドウェインはプロレスラーの道をあまり考えていなかったそうだ。


彼があこがれたのはアメフトの世界だった。



苦難の道

やがて10代を迎えたドウェイン。

名門一族の間に生まれた彼は順風満帆にみえた・・・はずだった。

しかし、ドウェインはプロレス巡業で忙しい家族の寂しさに飢えていたのか非行少年になっていた。


なんと強盗グループまで結成、刑務所に入れられることも多かった。

さすがに恥じたドウェインはマイアミ大学に進学、そこでアメフトの世界を目指すこととなる。


だが、プロレス以上に厳しいアメフトの世界でドウェインは大成できなかったのだ。

大学卒業後に入った団体を1年あまりで追い出された。
涙をのんだ彼は父と同じくプロレスの道を目指すこととなった。

しかし、そこでも苦労は変わらなかった。


1995年にWWFの非公式の試合ダークマッチでデビューを果たすが、イマイチな成績で終わった。


その後、別の団体に進むもこの時の給料はたった40ドル、日本円で4000円ほどだった。

1996年にはロッキー・メイビアというリングネームでデビューするものの観客からはすさまじいブーイングを受けた。

当時の彼のキャラは上品でさわやかなサーファーという冗談みたいなキャラクターだったのだ。

また、いくらコネ入社とはいえ新人であった彼に団体のエースだったショーン・マイケルズは激しいいじめを行った。


これにもドウェインはすさまじいショックを受けたといわれている。

しかし、彼に転機がくるのはそう遠くない未来だった。



ザ・ロックの誕生

WWFの総帥であったビンス・マクマホンとドウェインは頭を抱えた。

なぜこうも受けないのだろう。

そこで、当時副社長兼アナウンサーだったジム・ロスは提案した。


「リングネームをザ・ロックに変えよう。」

そこからアイデアは次々に生まれた。

エゴイストでナルシスト、自分を色男と決めつけ女性にセクハラを行うヒールとして生み出された。


その土台となったのはあのアントニオ猪木と試合を行ったモハメド・アリだった。

アリのようなマシンガントークを武器に、相手を罵倒しまくる。

この時、ザ・ロックが生まれた。

ドウェインはザ・ロックとして黒人至上主義者のヒールユニット「ネーションオブドミネーション」に加入した。

そのユニットのリーダーであったファルークを追放すると、リーダーとして君臨。

その後、総帥であったビンス・マクマホン直属の親衛隊でもある「コーポレーション」と合体し、とうとうWWF世界ヘビー級王座を獲得することとなった。

そして、ライバルもできた。

マクマホンに対抗する反体制派であり、番組の主人公だったストーンコールドだ。


ストーンコールドとロックの戦いはファンに高い評価を受け、WWF黄金時代を築き上げたのだった。

やがてヒールだった彼は善玉を意味するベビーフェイスに転向した。


それでも彼の人気は衰えることはなかったのだ。

90年代末〜00年代前半のWWF黄金時代を支えたドウェインであったが、2001年「ハムナプトラ2」に出演したことがきっかけで俳優の道を志すようになる。


しかし、それに不満を覚えたプロレスファンはロックへブーイングを送るようになった。

ところが、これをきっかけにドウェインはヒールとして再び転身。

するとファンはブーイングとともに声援を送るようになった。


そして、00年代半ばになると本格的に俳優を目指すためにプロレスラーとしてのキャリアを半ばセルフリタイアすることとなったのだった。

そのころには会社の名前もWWFからWWEに代わっていった。



ハリウッドへ

ハリウッド俳優への転身をはかったドウェインであったが、そのキャリアの当初はB級映画などのオファーしかなくイマイチなキャリアしかなかった。

2010年には「トランスフォーマープライム」というテレビアニメに出演した。

テレビアニメの声優はアメリカにおいては落ち目の俳優がやるものであり、多くのファンが落胆した。

とうとうドウェインも終わりかと…。

しかし、2011年「ワイルド・スピード MEGA MAX」にてホブズ捜査官を演じる。

これがきっかけになり、俳優としての転身をはかることとなった。

その後、マイケル・ベイ監督のサイコスリラー「ペイン&ゲイン」で犯罪者役を演じる。


これの影響で善玉だけではない彼の幅の広さをわからせることに成功した。


その後も「ワイルドスピード」シリーズに出演。

2018年には怪獣映画の「ランペイジ」にも出演した。

その一方でプロレスラーとしてのキャリアも実は続けていた。

2013年にはWWE最大のイベントであるレッスルマニアの試合を演じることとなった。

そして、2019年にはとうとうプロレス引退を発表。


だが、個人的には彼は戻ってくるだろうと思っている。

プロレスの業界用語にはこんな言葉がある。

「ネバー・セイ・ネバー」

ありえないことなどないのだ。

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