きっかけは社内の送迎会
小企業ともいわれている小さな会社のサラリーマンですが、私自身は既に30歳も後半になっていて、もう既に彼女のことも、又、半ば結婚も諦めかけていた時期でした。
そんな時期にたまたま新年度に当たっての、現社長の勇退と新任社長の着任という、いわば送別と祝賀の宴会が行なわれたのです。
そんな時に、たまたま私の直ぐ横には見た目は素敵な別の課の女性の和田晴美さんが隣合わせで座ることになったのです。
そして、何かミラクルのようなことが起こってしまったのです。
宴会のカラオケで
その和田さんを見るともなく横目で見ながら「よろしくね」と軽く言いながら拝見したところ、チョットのいい顔立ちも先ず先ずで、話し方にもゆったりして、何やら少し雰囲気のある上家のお嬢さん風なのでした。
勿論、職場は違っても小さな会社の同じ社内ですから度々顔は併せてはいたのでしょうが、面と向かって直接お話したことはなく、今回が初めての顔合わせというか、直接会話をしたようなものでした。
宴会もたけなわになってきて、その内の幹事の音頭でカラオケなどが例によって始まったのです。
歌は私自身もそんなに敬遠するものではなく、時々、職場仲間と居酒屋帰りにカラオケにも行っていました。
意外な彼女の演歌は
ところが、そんな中で誰彼となく何回か歌う中で、しばらくしていたら突然、横の彼女の和田さんが指名されたのです。
その時に、横目で私にチョットした挨拶をしながら、「お聞き難かったら、お耳に栓をしておいてくださいね」と冗談をいうほどでした。
そして、彼女がやんわりと唄いだしたんですが、此れが又、彼女にはチョット不似合いな演歌だったのですが実に上手なんですね。
それも彼女は往年の石原裕次郎の歌が好きということで、「銀座の恋の物語」を歌いだしたのです。
そして、こともあろうに次に私を指名してきたのです。
私はその返礼として裕次郎の「夜霧よ今夜もありがとう」を歌いました。
魚心あれば水心
そんなことで、やがて宴会が引けてから横にいる彼女を意識しながら、私の知っているスナックへ思い切って彼女を誘ってみたのです。
すると意外や意外、彼女は快く承知してくれたのです。
勿論、この事がきっかけで和田さんという職場の彼女と付き合うようになったのです。
この事は男心と女心というか「以心伝心」というか、男女の機微に関しては年齢は余り関係ないんだなと、つくづく感じたところです。
それに俗っぽく言えば「魚心あれば水心」とでもいうのでしょうか。
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